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早期教育(Early Childhood Development)

最近、オーストラリアでもEarly Childhood Development (ECD)が大切だという事で幼児教育関係の施設では、色々な取り組みを始めています。

日本では、早期教育=英語教育みたいな部分も数年前まではありましたが、ここ最近は、子供の可能性を伸ばす為の教育という面での早期教育が目立ち、乳幼児教室が流行り出しました。

そもそも、早期教育、Early Childhood Developmentってどういう事なのか?

パースに在住の方は、フリーペーパーのJA NEWSの6月号に私が書いたコラムで早期教育について触れましたので、読んでくれた方もいるかも知れませんね。


「世界子供白書」によると”ECD (Early Childhood Development) は出生前から8歳になるまでの子供とその親や保護者のための製作とプログラムに関する包括的なアプローチを指し、子供がもって生まれた認知的、情緒的、社会的、身体的能力を十分に伸ばす権利”と定義されています。

また”子どもが3歳になるまでに脳の発達がほぼ完成する”と宣言しています。


日本のことわざで言えば、 「三つ子の魂、百まで」という事ですね。


0~3歳の時期の重要さ

出生前や出生後の数か月から数年間の子どもの暮らしに起こる事の影響は障害に渡って続きます。子供が学校や生活全体を通じてどのように学び、人間関係を形成するかを決める、信頼感、好奇心、志向性、自制心、関係の構築、意思疎通や協力の能力など、情緒的知能の主な構成要素のすべてが親や保育施設などの教員や保護者から受ける早期のケアに左右されると言われています。

昔からの日本の子育ては、お母さんが働くという共働きの家庭でない限りは、幼稚園に通う年齢まで家庭で大事に育てられる傾向が強かったように思います。

家庭で大事に育てられる事がマイナスだという事は決してありません。お母さんとお父さんからの愛情をたっぷり受けて育つ子供も情緒が安定していくでしょうし、家庭でも多くの経験をさせてあげる事によって補える事は沢山あります。

世界子供白書でも述べられているように「脳の発達が3歳頃までに完成してしまう・・・」という点からしてみると、3歳までの時期に色々な経験をさせてあげる事が必要だという事が理解できるかと思います。

実際に言語の発達に関してみてみると、3歳以下で保育園に入園している子供と3歳以上で保育園に入園している子供では、言葉の数がやはり違います。

保育園などの集団の場に入るだけでも、色んな言葉を聞きます。ご家庭ですと、お母さんの声、テレビやラジオ、近所の人、お母さんのお友達・・・くらいでしょうか?これが毎日ですからね、やはり保育園などの集団生活をしている子に比べると言葉の数というより、言葉のシャワーを浴びる量が変わってくるのは一目瞭然!


タイミングの重要さ

人生の後の段階で基礎的な能力を伸ばす事は確かに可能です。しかし、成長するにしたがって困難になっていきます。
「適切な時期に適切なアプローチをしていく事」が重要だと理解できるのではないでしょうか?

トイレットトレーニングを開始するタイミング。
食事指導を行うタイミング。
着脱を自分で促すタイミング
など

それぞれ適切な時期があります。そして、適切なタイミングとアプローチをしていかなければ、余計に時間がかかってしまい、修正が困難になる事もあります。

乳幼児期に基本的ニーズを満たされない子供はしばしば不信感を抱いて、自分や他人を信じられ無くなります。早い時期に指導を受けて自分の行動を観察し制御するようにならなければ、就学する時に不安に陥り、怯え、衝動的になり、行動が支離滅裂に成り得るとも言われています。


KOKORO no SPAの1歳児クラスでは、先日、紙を破いて遊ぶ活動をしました。

今年度2歳になる子供達ですから、歩き回る事もだいぶ上手になり、なかなか座って1つの活動に集中するには難しい時期。そんな時、紙をビリビリ破いて遊ぶという事を取り入れました。

「紙を破いて遊ぶ」事にも意味がきちんとあります。

子供の体の発達は、体の胴体部分の中心から末端へと発達していきます。

手の場合でしたら、肩→ひじ→手首→指 という順で発達していきます。

従って、紙を破くという遊びも子供の発達状況によって変わってきます。

始めの段階は、紙を手のひら全体で鷲掴みにし、両手で紙を引きちぎる行為です。

手首が上手に使えるようになってくると紙を持って手首を回したりしながら紙を破ります。

そして、指が上手に使えるようになってくると、指で紙をビリビリとちぎれるようになります。

このように段階を経て子供は成長していきます。

乳幼児教室は、子供の発達段階を理解している講師が遊びを「意味あるもの」として行っていきますので、子供の早期教育として子供の発達に役立つ取り組みを行う事ができるのです。

不器用なのは、親に似たから・・・って言う方もいますけれども、それだけでは決してありません。
幼少期に訓練とまでは言いませんが、それだけ可能性のある能力を伸ばす活動を促していたか??その結果が小学校、中学校、高校、そして大人になった時に色んな面で現れてくるのかも知れません。


幼児教育って、すごく奥が深い分野なのですよ。
よく考えてみて下さい。
人間らしく成長する時期、人格形成される時期と思えば、3歳までの時期の大切さ・・・しっかり考えてみる必要があるかも知れませんね。
by KOKORO-no-SPA | 2013-10-24 16:15 | Childcare (子育て)